恵和興業株式会社 - keiwa.be

「こころをかたちにするデザイン」

蓮見 孝 教授

日産自動車(株)デザインセンターを経て、1991年に筑波大学に転任。
芸術学系及び博士課程人間総合科学研究科教授、筑波大学広報戦略室長。グッドデザイン賞審査員。
グッドデザイン賞とは: http://www.g-mark.org/aginfo/index.html
著書「マルゲリータ女王のピッツァ かたちの発想論」他。

chapter06 褒め称え合う日本人を夢見て

この美しい島国日本を、私たちは50数年で汚せるだけ汚してしまいました。次世代の人たちに、後は任せるぞと言っては死ねない。また一方で少子高齢化、中間山間地域の衰退も進んでいる。社会崩落の音が聞こえるような状況です。

ヨーロッパから日本に飛行機で帰ってくると、荒涼としたシベリアの大地を何時間も飛んだあと、キラキラとした日本海と緑あふれる島が見えてくる。それが私たちの国日本です。林業が盛んな日本(ところが木材の自給率は18%)でしたが、しかし今、このような日本の原風景が崩れています。田舎から過疎化や限界集落などの崩壊の序曲が始まっているのですが、それはいずれ都市にも波及するものです。地方は遅れているのではなく、進んでいます。今地方の知恵を発揮し、調和ある社会づくりを進めれば、それが私たちの国の持続を保証していく大きな力になるに違い有りません。

これまでお話しした、ひな祭り、酒蔵、新幹線、モエレ沼公園は、そのような先進事例の一つです。宮城県や茨城県のような地域が、それぞれにしっかりした生活基盤を作ること、そしてつじつまの合う持続的な生活を営むことが我々一人一人に問われています。刹那的な行動に終わらせずに次々と後継がれていくモノ、システムを生み出したいものです。

今から50年以上前の1957年、グッドデザイン賞が生まれました。先進諸国から日本のデザイン盗用が告発され、非難が浴びせられました。まさに当時の日本産業は、先進諸国の知恵やこころを盗み取っていたのです。当時の藤山愛一郎外務大臣は、悪を摘発するだけでなく、むしろよいデザインを褒め称えようと考え、グッドデザイン賞という顕彰制度を作ったのです。よいこころを持つ企業同士が一緒に歩みながら、お互いに褒め称え合うとことで、仙台もいっそう輝き出すはずです。みなさまのご活躍をお祈りいたします。

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